
2002年11月から2005年10月までに、当院でThread liftを受けた患者115名に対して、術後の合併症の種類と対処法、術後結果の満足度と持続性を調査した。さらに当院での手術法、術後効果、合併症について検討した。
早期合併症としては、血腫、腫脹、感染、左右差、刺入部の瘢痕。晩期合併症として、後戻り、糸の突出や陥凹、表情により出現する陥凹や皺、禿頭症が認められた。対処として、内服薬投与、抜糸、再挿入、外科的フェイスリフト、を施行した。
フェイスリフトは1970年代に入り、SkoogやMitsらのSMASリフトにより下顔面の改善効果は絶大なものとなった。Shirakabeらも、東洋人への効果的なフェイスリフトとして下顔面に対するvertical liftingの効果を提唱している。これまでの臨床的経験から、現在当院では手術適応を重要視し、主に下顔面のフェイスラインの改善に対してThread liftを施行している。この部位は、効果の持続性が認められ、糸による合併症も従来法に比較して少ない。
外科的フェイスリフトに比較するとThread liftは、効果の持続や合併症の点で問題を有すると思われるが、適応によっては良好な結果が認められる。低侵襲の手術法として、Thread liftは、フェイスリフトの一方法として有用な方法と考えられる。